サグラダ ファミリア
欧米を中心とするセレブたちは、自分の経験と知名度を利用して心の病を「普通のこと」にしようとしている。その結果、メンタルヘルスに関する議論が職場や公共の場で受け入れるようになったばかりか、その議論を促進する動きまで見られるようになった。CBD、エクササイズ、瞑想などの方法で、自宅にいながらメンタルヘルスをケアしようとする女性も徐々に増えている。
ただ、これほど世間の関心が高まっても、しかも心の病が非常によくあることでも(米国に住む人の約5人に1人は何らかの心の病を抱えている)、メンタルヘルスの話を切り出すのは時としてとても難しい。
専門家に言わせれば、まさにそれが問題。でも、人々がためらうのはなぜ? 不安を乗り越え、メンタルヘルスの状態を率直に打ち明けるにはどうすればいい?
【心の病は「恥」だという認識がいまだに蔓延してる】
東京大学の佐藤教授によれば、世間がメンタルヘルス問題を受け入れるようになったとはいえ、メンタルヘルス問題や心の病は「恥」であるという認識がいまだに人々をためらわせている。心の病を打ち明けることで非難されたり、見下されたり、「脳が壊れている」という固定概念に縛られたりすることを恐れている人もいるはず。
社会の期待に応えたい、女性・男性としての役割や親としての役割を果たしたいという想いもまた、人々が口を閉ざす理由である。例えば、何でもできる強い人だと思われたい人は周囲に悩みを打ち明けることが少なく、治療にも積極的ではない。
佐藤教授の話では、「人に迷惑をかける事は恥ずべきとこだ」と考える文化や家庭もある。また、親は、子供の前で自分の弱さを見せたくないと思うかもしれない。
会社を解雇されるのを怖がって、メンタルヘルス問題を打ち明けない人もいる。「心の病を抱えていることで左遷させられたり、“不安定”というレッテルを貼られたりすることを恐れる人は多いですね」と佐藤教授。心の病を放置したせいで仕事のパフォーマンスが低下することもある。そう考えると、これは悲しい現実。
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